陶酔のエミュレーターは,消えるのか?
コネクティクス社は,自社の資産の大半をマイクロソフト社に売却したことを明らかにした。売却された製品には,バーチャルPCのマック版とウインドウズ版が含まれる。
メイン,というかこれ以外にまともな製品がないところをみると,これはコネクティクス社の終焉とみてもよいのかな? コネクティクスの存在感がもっとも際立ったのは1998年末ごろにリリースされたヴァーチャル・ゲーム・ステーション(VGS)の頃か。完璧な完成度のプレステエミュレータは,コネクティクスの独壇場の力を示していた。翌年2月のマックワールド・エキスポ東京の舞台では,スティーブ・ジョブズが舞台でVGSを披露し,夏には日本でVGSを発売すると息巻いていた(結局はソニーの提訴もあって実現しなかったが。マック版ヴァーチャルPCがMSの手に渡って存続できる可能性も少なく,現行のヴァーチャルPC 6がファイナルリリースとなりそう。
違うハードウェアで違う環境を「完全に」再現する,というのは一部のソフトウェア開発者にとっては至高の喜び。グラフィック性能も,サウンドシステムも,もちろんシステム処理も,すべて別のハードウェア上でコードタスクだけで実現する
なんて,ハード開発者への裏切り,しっぺ返し的な喜びがあるのは当然のこと。が,マイクロソフトが買い取ったのであれば,他ハード上への展開はなくなる(必要ないしね。このニュースは,切ないなぁ。
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